小児整形について

 先天性筋性斜頚、先天性股関節脱臼、先天性内反足は小児の代表的な先天性疾患であります。乳幼児期に治療すれば障害を残すことはほとんどありません。お子さんで心配なことがあれぱご相談下さい。

先天性筋性斜頚

 明らかな原因は不明です。生後1週間位に胸鎖乳突筋筋腹に腫瘤が出現し、1カ月で最大になります。その後徐々に腫瘤は縮小します。

 一側の胸鎖乳突筋に腫瘤がすると頭部は患側へ側屈、顔面は健側を向きます。本症の90%は自然治癒します。6カ月以上経過しても胸鎖乳突筋が短縮し、索状物を触れるときは、手術の適応となります。

右筋性斜頚
右筋性斜頚
右筋性斜頚の診断
右筋性斜頚の診断

右筋性斜頚の場合、右側屈、左回旋位を示す(A)。健側(左側)へ側屈させると胸鎖乳突筋は緊張(B)、さらに患側への回旋制限(C)を示す。

出典:医学書院 標準整形外科学 第8版

先天性内反足

 男:女=2:1で男児に多く発症します。足部は尖足位にあり、踵部は内反して前足部は内反しています。凹足変形もみられます。

 早期治療が原則です。ギプス包帯で矯正を行います。矯正位が得られればそれを保持するためデニスーブラウン装具、歩行を開始すれば矯正靴を着用させます。

先天性内反足
(右足:患側、左足:健側)
先天性内反足

出典:医学書院 標準整形外科学 第8版

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